まちをつなぐ解体工事のお話し
木造建物の解体工事をお考えの皆様、こんにちは。株式会社名古屋ナカテックです。
「家を壊すなんて、なんだか寂しい気持ちになりますね」
先日、お客様からこのような言葉をいただきました。確かに、長年住み慣れた家との別れは感慨深いものです。しかし、私たちナカテックは解体工事を単なる「建物の撤去」とは考えていません。
それは「新しい創造のはじまり」なのです。
解体工事には、想像以上に多くの手順と配慮が必要です。適切な工期設定から近隣への配慮、安全管理まで、知っておくべきポイントは山ほどあります。
本記事では、木造建物の解体における基本的な流れから、工期に影響する要因、そして費用を抑えるためのコツまで、初心者の方にもわかりやすく解説いたします。
私たちの理念である「想いを残し、次世代につなぐ」解体工事の考え方も交えながら、皆様にとって有益な情報をお届けします。
木造建物の解体は、決して「重機で一気に壊す」というものではありません。実際には、細かく分けて7つの段階があります。
まず最初に行うのが「事前調査」です。これは建物の構造や使用されている材料、周辺環境を詳しく調べる作業です。
「うちは普通の木造住宅だから、特に調べることはないでしょう」
このようにおっしゃるお客様もいらっしゃいますが、実は木造住宅ほど個別性が高い建物はありません。建築年代によって使用される材料が異なり、増改築の履歴によって構造も変わります。
例えば、昭和40年代に建てられた住宅では、石綿(アスベスト)を含む建材が使用されている可能性があります。この場合、通常の解体手順とは異なる特別な処理が必要になります。
事前調査が完了したら、次は近隣の皆様への挨拶回りです。これは単なる礼儀ではなく、工事を円滑に進めるための重要な工程です。
実際にあった事例をご紹介しましょう。以前、挨拶を怠った業者が解体工事を始めたところ、近隣の方から騒音や粉塵についてのクレームが相次ぎました。結果的に工事が何度も中断され、予定していた2週間の工期が1か月以上に延びてしまったケースがありました。
私たちナカテックでは、工事開始の1週間前から近隣の皆様に直接お伺いし、工事の内容や期間、連絡先をお伝えしています。また、騒音や粉塵対策として防音シートや散水設備の設置も丁寧に行います。
建物内部の解体は、外観からは見えない重要な工程です。ここでポイントになるのが「分別」です。
木材、金属、プラスチック、ガラスなど、解体で出る廃材は種類によって処理方法が異なります。適切に分別することで、リサイクル率を高め、処分費用も抑えることができます。
私たちの現場では、作業員全員が分別のルールを徹底的に学んでいます。「これはどこに捨てるべきか」という判断を瞬時に行えるよう、定期的な研修も実施しています。
木造建物の解体工期は、一般的に10日から3週間程度とされていますが、実際にはさまざまな要因によって大幅に変動することがあります。
最も工期に影響を与える要因の一つが「地中埋設物」の存在です。
先日、築50年の木造住宅の解体を行った際のことです。基礎を撤去している最中に、古い浄化槽が発見されました。図面には記載されていない設備でした。
浄化槽は適切に処理しないと環境汚染の原因となるため、専門業者による汚泥の抜き取りと槽の撤去が必要になりました。この追加作業により、予定していた工期が5日間延びることになりました。
このような事態を防ぐため、私たちナカテックでは事前の「試掘調査」を重視しています。重機を使って地面を部分的に掘り、埋設物の有無を確認する作業です。
木造建物の解体作業は屋外での作業が中心となるため、天候の影響を強く受けます。
特に梅雨時期や台風シーズンは要注意です。雨が続くと作業が中断されるだけでなく、地盤が軟弱になり重機の作業効率も低下します。
「雨の日は作業をお休みするだけでしょう?」
実は、雨の影響はそれだけではありません。木材が水を含むと重量が増し、運搬に時間がかかります。また、粉塵が泥状になり、清掃作業にも余計な時間を要します。
これらの対策として、私たちは天気予報を常にチェックし、雨が予想される日の前後は屋内でできる作業を優先的に進めるようスケジュールを調整しています。
昭和40年から平成16年頃までに建築された木造住宅では、アスベストを含む建材が使用されている可能性があります。
アスベストが発見された場合、一般的な解体作業とは全く異なる手順が必要になります。作業員は防護服を着用し、建物全体をシートで密閉して作業を行います。また、解体後の廃材も特別な方法で処分しなければなりません。
アスベスト処理を含む解体工事の場合、通常の2倍から3倍の工期がかかることも珍しくありません。
事前調査でアスベストの有無をしっかりと確認することが、工期とコストを管理する上で極めて重要なのです。
解体費用は工期と密接に関係しています。工期が延びれば、その分人件費や機械のレンタル費用も増加するからです。
木造建物といっても、その構造は様々です。在来工法、2×4工法、プレハブ工法など、工法によって解体の難易度も変わります。
在来工法の場合、柱や梁が組み合わさった構造のため、部材を一つずつ丁寧に解体する必要があります。一方、プレハブ工法は工場で製造されたパネルを組み立てた構造のため、比較的効率的に解体できます。
また、建物の規模も費用に大きく影響します。単純に「坪単価×坪数」で計算されるわけではありません。小さな建物ほど坪単価が高くなる傾向があります。これは、重機の搬入や設置にかかる固定費が同じだからです。
建物の立地条件は、想像以上に解体費用に影響します。
道路幅が狭く大型重機が入れない現場では、小型の重機を使用するか、手作業での解体が必要になります。当然、作業効率が下がり、工期も延びます。
実際の事例をご紹介しましょう。住宅密集地にある築40年の木造住宅の解体では、道路幅が3メートルしかありませんでした。通常使用する重機が搬入できないため、分解できるタイプの小型重機を使用することになりました。
組み立てと分解に半日ずつかかり、作業効率も通常の7割程度に低下しました。結果として、標準的な現場と比べて費用が約30%増加することになりました。
近年、廃材処理費用の高騰が解体費用全体を押し上げています。しかし、適切な分別とリサイクルにより、この費用を抑えることが可能です。
私たちナカテックでは、2025年からリユース・リサイクル事業を本格的にスタートしました。解体で出た不用品の中で、まだ使用できるものは無料で再利用へと回しています。
例えば、建具や設備機器、庭木なども、状態が良ければリユースの対象となります。お客様にとっては処分費用の削減になり、環境にとっても資源の有効活用につながります。
私たちナカテックは、2025年度優良工事等表彰を受賞いたしました。これは私たちの安全管理と施工品質が公的に認められた証です。
解体工事は危険を伴う作業です。一つのミスが大きな事故につながる可能性があります。
私たちの現場では、毎朝の朝礼で安全確認を行います。作業内容の確認、使用する機械の点検、天候や周辺環境の確認など、チェック項目は30以上あります。
特に重要視しているのが「危険予知活動」です。「今日の作業で危険な箇所はどこか」「どのような事故が起こりうるか」を全員で話し合い、対策を共有します。
実際の現場での事例をご紹介します。通学路に面した住宅の解体工事では、子どもたちの登下校時間帯は重機の稼働を停止することにしました。安全を最優先に考えた判断です。
工期は若干延びましたが、地域の皆様から「子どもたちのことを考えてくれてありがとう」という温かい言葉をいただきました。
解体工事では、騒音や粉塵、振動などが発生します。これらを最小限に抑えることも、私たちの重要な責務です。
騒音対策では、防音シートの設置だけでなく、作業時間の調整も行います。早朝や夜間の作業は避け、一般的に8時から17時までを作業時間としています。
粉塵対策では、散水設備を常に稼働させ、風向きも考慮して作業を進めます。特に洗濯物が干されている方向には、より注意深く散水を行います。
振動対策では、重機の移動ルートを事前に検討し、隣接する建物への影響を最小限に抑えるよう配慮しています。
解体工事の完了は、新しい土地活用の始まりでもあります。私たちは解体後の整地作業にも力を入れています。
「解体が終わったら、あとは自分でなんとかします」
このようにおっしゃるお客様もいらっしゃいますが、実は整地作業は非常に重要です。適切に整地されていない土地は、後の建築工事で問題が発生する可能性があります。
例えば、基礎の一部が地中に残っていると、新しい建物の基礎工事の際に障害となります。また、解体で出た木片やコンクリート片が地中に残っていると、植栽の際に根の成長を阻害することもあります。
私たちナカテックでは、解体完了後に金属探知機を使用して地中の確認を行います。小さな金属片も見逃しません。
「想いを残し、次世代につなぐ」という私たちの理念は、解体後の土地にも適用されます。
解体によって生まれ変わった土地が、次の世代にとって価値ある資産となるよう、最後まで責任を持って作業を行います。
土地の高低差の調整、水はけの改善、土質の改良など、必要に応じて様々な工夫を施します。これらの作業は目に見えない部分ですが、土地の将来的な価値を大きく左右します。
木造建物の解体は、単純に建物を壊すだけの作業ではありません。事前の準備から解体後の整地まで、多くの工程と専門知識が必要な複合的な事業です。
工期や費用に影響する要因は多岐にわたります。地中埋設物の存在、天候の変化、アスベストなどの有害物質、立地条件など、事前に把握し対策を講じることで、トラブルを未然に防ぐことができます。
私たち株式会社名古屋ナカテックは、「人と人の繋がりを大切に」し、「新しい創造のはじまり」となる解体工事を目指しています。2025年度優良工事等表彰の受賞は、私たちの取り組みが認められた証です。
解体工事をご検討の際は、価格だけでなく、安全管理や環境への配慮、そして将来を見据えた施工品質を重視して業者選びを行うことをおすすめします。
空き家の解体や建て替えに伴う解体工事など、どのようなご相談でも無料でお受けしています。まずはお気軽にお問い合わせください。
私たちと一緒に、新しい創造のはじまりを切り開いていきましょう。
©Nagoya nakatec Co., Ltd.