まちをつなぐ解体工事のお話し
解体工事と聞くと、多くの方が「建物を壊すだけの作業」と思われるかもしれません。しかし、私たち株式会社名古屋ナカテックにとって、解体工事は単なる破壊作業ではありません。「新しい創造のはじまり」として、未来につながる大切な工程だと考えています。
特に、現場が通学路のすぐそばにある場合、私たちの責任は格段に重くなります。なぜなら、そこには毎日多くの子どもたちが通学し、地域住民の方々が日常生活を送っているからです。
私たちナカテックは「想いを残し、次世代につなぐ」という理念のもと、解体工事を通じて地域社会との調和を大切にしています。この理念は、ただのスローガンではありません。実際の現場で、具体的な安全対策として形になっているのです。
先日、名古屋市内の小学校近くで行った解体工事では、朝の通学時間帯に工事車両が学校の門前を通る必要がありました。この時、私たちは単に作業を進めるのではなく、学校関係者や保護者の皆様と事前に話し合いの場を設けました。その結果、子どもたちの安全を最優先に考えた作業スケジュールを組むことができたのです。
このような取り組みが評価され、私たちは2025年度優良工事等表彰を受賞いたしました。これは「ナカテックの誠実な仕事が国にも認められた」という証拠でもあります。
本記事では、通学路での解体工事における具体的な安全配慮について、実際の事例を交えながら詳しく解説していきます。解体工事をお考えの方、近隣で工事が予定されている方に、少しでも安心していただけるような情報をお届けします。
解体工事における安全対策は、実は工事が始まる前から始まっています。私たちが最も重視しているのは「きっちりとした準備」です。これは、近隣へのご挨拶から養生の設置まで、すべてを含む包括的な準備作業を指します。
通学路沿いの現場では、まず徹底的な現地調査を行います。単に建物の状況を確認するだけではありません。
「この通りは何時頃に子どもたちの通行が多いのか」 「どの時間帯が最も交通量が多いのか」 「近くに高齢者向けの施設はあるか」
このような情報を詳細に把握することで、リスクの高い時間帯を特定できます。
実際の事例をご紹介しましょう。昨年、中学校の通学路に面した古い住宅の解体を請け負った際のことです。事前調査で分かったのは、朝の7時30分から8時15分までが最も生徒の通行が集中する時間帯だということでした。さらに、近隣に保育園もあり、お迎えの時間帯である午後4時頃にも歩行者が多いことが判明しました。
この情報をもとに、私たちは重機を使用する作業時間を調整しました。具体的には、朝の通学時間帯は軽作業のみに限定し、重機による本格的な解体作業は午前9時以降に開始することにしたのです。
安全管理で見落としがちなのが、地下に埋まっている設備や構造物です。これを「埋設物」と呼びますが、古い建物の場合、図面に記載されていない配管やケーブルが埋まっていることがよくあります。
「見えない埋設物を調べるには?」この疑問に答えるのが試掘調査です。
試掘調査とは、実際に解体作業を始める前に、地面を部分的に掘って地下の状況を確認する作業のことです。一見すると手間のかかる作業に思えますが、これを怠ると大変なことになります。
過去に他社が手がけた現場で、ガス管を誤って破損してしまい、周辺住民の方々が避難する事態になったケースがありました。もしこれが通学路沿いで、しかも通学時間帯に起きていたらと考えると、とても恐ろしいことです。
私たちナカテックでは、このようなリスクを未然に防ぐため、必ず試掘調査を実施しています。時間とコストはかかりますが、地域の皆様の安全を考えれば、絶対に省略できない工程だと考えています。
現場と歩行者の空間を完全に分離することは、事故防止の絶対条件です。特に子どもたちは好奇心が旺盛で、工事現場に興味を示すことがよくあります。
仮囲いは単に設置すればよいというものではありません。台風などの強風でも倒れないよう、基礎をしっかりと固定し、パネル同士の連結も確実に行います。また、隙間から手を入れたりできないよう、継ぎ目の処理にも細心の注意を払います。
養生については、粉塵の飛散防止と騒音の軽減という2つの目的があります。解体作業では必ず粉塵が発生しますが、これが通学路に舞い散ると、子どもたちの健康に悪影響を与える可能性があります。また、騒音は近隣住民の方々の生活の質を下げてしまいます。
私たちは、現場の状況に応じて複数の養生材を組み合わせて使用します。例えば、風の強い日には防風ネットを追加したり、特に粉塵の多い作業の際には散水設備を併用したりします。
最も神経を使うのが、子どもたちの通学時間帯です。この時間帯には、通常とは全く異なる厳格なルールを適用して作業を行います。
通学路沿いの現場では、必ず交通誘導の資格を持った専門の警備員を配置します。ただし、この警備員の役割は単なる交通整理ではありません。「歩行者安全管理のスペシャリスト」として、様々な業務を担当します。
まず、登下校時間帯の作業制限です。子どもたちの通行が多い時間帯は、原則として重機の稼働を停止するか、大幅に制限します。具体的には、以下のような作業は一時中断します:
代わりに、この時間帯は手作業での片付けや、現場内での資材整理など、比較的リスクの低い作業に切り替えます。
警備員の配置場所も重要です。現場の出入口だけでなく、子どもたちが現場に近づきやすいポイントや、見通しの悪い交差点などにも配置します。特に小学生の場合、大人の目線では見えない死角に入ってしまうことがあるため、子どもの目線に合わせた安全確認が必要です。
重機の操作は、解体工事で最もリスクの高い作業の一つです。オペレーター(重機の運転手)がいくら熟練者でも、運転席から見えない死角は必ず存在します。
私たちは、重機と警備員の間で独自の連携システムを構築しています。具体的には、以下のような手順を踏みます:
このシステムにより、万が一子どもが現場に近づいた場合でも、瞬時に重機を停止させることができます。
実際にあった事例ですが、午後の作業中にボールを追いかけた小学生が現場近くまで来てしまったことがありました。この時、警備員が素早く気づいて重機に停止指示を出し、同時に子どもを安全な場所まで誘導することができました。結果として事故は起こりませんでしたが、このシステムがなければ重大な事故につながっていた可能性があります。
解体作業で発生する廃材や資材の管理も、安全対策の重要な要素です。特に通学路沿いでは、資材が風で飛ばされたり、積み上げた廃材が崩れたりするリスクを完全に排除する必要があります。
私たちは、解体で出た廃材を即座に指定された区画に運び、適切に分別・整理します。この際、歩行者エリアから十分に離れた場所を選び、万が一資材が崩れても外部に影響が出ないような配置を心がけています。
また、2025年8月からスタートした「リユース・リサイクル」の取り組みにより、解体で出た不用品を無料で再利用に回すことで、現場での廃材の滞留時間を短縮することができています。これも安全面での大きなメリットとなっています。
粉塵対策については、常時散水設備を稼働させることで、粉塵の発生を最小限に抑えています。特に風の強い日や乾燥した日には、散水の頻度を増やすなど、気象条件に応じた対応を行います。
騒音対策では、使用する重機の選定にも配慮しています。同じ作業ができる機械でも、より静音性の高い機種を選ぶことで、近隣への影響を軽減しています。
どんなに注意深く作業を行っても、予期せぬ事態が発生する可能性はゼロではありません。そのため、緊急時の対応体制も万全に整えています。
万が一の事態に備え、関係各所との連絡体制を事前に構築しています。この連絡網には以下の機関・団体が含まれます:
これらの連絡先は、現場の全スタッフが携帯し、緊急時には迅速に連絡が取れるようになっています。
実際の事例として、解体作業中に地中から正体不明の金属製の管が見つかったことがありました。古いガス管の可能性があったため、即座に作業を中断し、ガス事業者と消防署に連絡を取りました。結果的には使用されていない古い水道管でしたが、安全を最優先に考えた対応により、事故を未然に防ぐことができました。
万が一の事故に備え、十分な補償額の第三者賠償責任保険に加入しています。これは、作業中の事故により第三者に損害を与えた場合の補償を行う保険です。
しかし、保険はあくまで「万が一の備え」であり、事故を起こさないことが何よりも大切だと考えています。そのため、保険に頼るのではなく、事故を起こさないための対策に最大限の力を注いでいます。
工事期間中は、定期的に近隣住民の方々への状況報告を行います。これは単なる進捗報告ではなく、「何かご不安なことはありませんか?」「改善してほしい点はありませんか?」といった双方向のコミュニケーションです。
地域の方々からいただいたご意見は、すぐに作業方法の改善に反映させます。例えば、「朝の8時からの作業音が気になる」というご意見をいただいた時は、作業開始時間を8時30分に変更し、さらに静音性の高い機材に変更しました。
このような継続的なコミュニケーションにより、地域の皆様との信頼関係を築くことができ、結果として工事もスムーズに進行できるのです。
私たちナカテックは、建物本体だけでなく、外構の解体工事も一手に引き受ける総合解体業者です。この特徴が、安全管理の面でも大きなメリットをもたらしています。
建物だけでなく、ブロック塀、カーポート、庭木なども含めて、敷地全体のリスクを一括して管理できることは、複数の業者が入る場合と比べて安全面で大きなアドバンテージがあります。
例えば、通学路に面した古いブロック塀がある場合、建物の解体作業の振動でブロック塀が倒壊する危険性があります。複数の業者が関わる場合、この責任の所在が曖昧になることがありますが、私たちが一括して担当することで、このようなリスクも確実に管理できます。
実際にあった事例では、解体予定の建物に隣接するブロック塀にひび割れを発見しました。すぐに構造の専門家に相談し、解体作業前にブロック塀の補強を行いました。もしこれを見落としていたら、解体作業中にブロック塀が倒壊し、通学路を歩く子どもたちに危険が及ぶ可能性がありました。
安全対策は、目の前の物理的な危険を回避するだけでなく、環境への配慮も含みます。私たちが力を入れている「リユース・リサイクル」の取り組みは、廃棄物の削減により、より良い環境を次世代につなぐための活動でもあります。
解体で出た不用品を無料で再利用に回すことで、単に廃棄物を減らすだけでなく、お客様の処分費用の軽減にもつながります。これは、経済的なメリットと環境貢献の両方を実現する取り組みです。
また、分別作業を徹底することで、リサイクル可能な資材を最大限活用し、最終的に埋立処分される廃棄物を最小限に抑えています。これらの取り組みは、今すぐに目に見える効果は少ないかもしれませんが、長期的には子どもたちが住む未来の環境を守ることにつながります。
私たちは、2025年度優良工事等表彰を受賞しましたが、これに満足することなく、常により高い品質を目指しています。
毎回の工事が終了した後には、必ず振り返りの会議を行います。「今回の工事で良かった点は何か?」「改善すべき点は何か?」「近隣の方々からのフィードバックはどうだったか?」といった点を詳細に検討し、次の工事に活かしています。
特に安全面については、「事故が起きなかったからOK」ではなく、「事故が起きる可能性があった場面はなかったか?」という視点で見直しを行います。これにより、継続的な安全レベルの向上を図っています。
私たち株式会社名古屋ナカテックにとって、解体工事は単なる建物の撤去作業ではありません。「想いを残し、次世代につなぐ」という理念のもと、地域社会の一員として責任を持って取り組む大切な仕事です。
特に通学路のすぐそばで行う工事では、子どもたちの安全を守ることが最優先事項です。そのために、事前の綿密な準備から、工事期間中の厳格な安全管理、そして緊急時の対応体制まで、包括的な安全対策を講じています。
これらの取り組みは、時には工期の延長やコストの増加を伴うこともあります。しかし、地域の皆様の安全と安心は、何物にも代えがたい価値があると考えています。
私たちの誠実な仕事ぶりは、2025年度優良工事等表彰の受賞という形で国にも認められました。しかし、これはゴールではなく、より高い安全レベルを目指すためのスタート地点だと考えています。
解体工事をお考えの皆様、近隣で工事が予定されている皆様には、ぜひ私たちの安全への取り組みをご理解いただき、安心してお任せいただければと思います。
空き家の解体や建物の老朽化でお困りの方は、まずは無料相談をご利用ください。私たちナカテックは、人と人のつながりを大切にし、地域社会との調和を保ちながら、安全で確実な解体工事をお約束いたします。
皆様と一緒に、安全で美しい街づくりに貢献していきたいと考えています。ご不明な点やご相談がございましたら、お気軽にお声かけください。
©Nagoya nakatec Co., Ltd.