解体工事、建築・土木工事業 │ 名古屋ナカテック

解体工事お役立ちコラム

まちをつなぐ解体工事のお話し

解体工事における「養生」の重要性を徹底解説 – 騒音・粉塵対策で近隣との信頼を守る

はじめに – 養生が解体工事の品質を決める理由

こんにちは。株式会社名古屋ナカテックです。

解体工事というと、どうしても「建物を壊す」という作業そのものに注目が集まりがちです。しかし、私たちが最も大切にしているのは、実は工事が始まる前の準備段階なのです。

その準備の中核となるのが「養生(ようじょう)」と呼ばれる作業です。養生とは、工事現場や周辺環境を保護するために行う一時的な保護措置のこと。簡単に言えば、工事による騒音や粉塵、飛散物から周囲を守るための「バリア」を作る作業です。

私たちは「これまで住まわれた方、その近隣の方々、次の世代の方、これらの人と人の繋がりを大切にし、未来ある解体を行います」というポリシーを掲げています。このポリシーを実現するために、養生は絶対に手を抜けない工程なのです。

実際、解体工事に関する近隣トラブルの大半は、騒音と粉塵が原因です。どれだけ丁寧に工事を進めても、養生が不十分だと近隣の方々にご迷惑をおかけしてしまいます。逆に言えば、養生をしっかり行うことで、多くのトラブルを未然に防ぐことができるのです。

今回の記事では、解体工事のプロフェッショナルである私たちが、なぜ養生にこだわるのか、そして養生が騒音・粉塵対策としてどのような役割を果たすのかを、現場での実例を交えながら詳しく解説していきます。

養生とは何か – その目的と役割を知る

養生の基本的な意味

養生という言葉は、建設業界では日常的に使われていますが、一般の方にはあまり馴染みがない言葉かもしれません。

建設現場や解体現場における養生とは、作業箇所やその周辺を一時的に保護するための措置全般を指します。具体的には、防音シートで現場を囲んだり、防塵ネットを張ったり、隣接する建物や植栽をシートで覆ったりする作業のことです。

ただし、養生は単にシートを張るだけの単純作業ではありません。現場の条件、建物の構造、周辺環境、季節や天候など、様々な要素を考慮しながら、最適な方法を選択する必要があります。

養生が守るべき三つの対象

私たちが養生で守るべき対象は、大きく分けて三つあります。

まず一つ目は、作業員自身と現場の安全です。解体工事では破片が飛散したり、重機が転倒したりするリスクがあります。適切な養生は、こうした労働災害を防ぐための第一歩となります。

二つ目は、近隣の資産と環境です。隣接する建物や車、植栽などが工事の影響で汚損したり破損したりしないよう保護します。また、騒音を減衰させ、粉塵の拡散を防ぐことで、近隣の方々の生活環境を守ります。

三つ目は、公共の安全と環境です。敷地外への土砂や泥の流出を防ぎ、通行人の安全を確保します。公道を汚さないことも、地域社会の一員としての重要な責任です。

準備段階でのこだわり

私たちナカテックでは、近隣へのご挨拶と同じくらい、養生の準備に力を入れています。なぜなら、この準備段階が工事全体の成否を左右するからです。

例えば、重機が入らない狭小地での解体工事の場合、通常の養生方法では対応できないこともあります。そういった現場では、解体対象の構造や立地条件を徹底的に調査し、その現場に最適な養生計画を立てる必要があります。

実際に過去に担当した案件で、住宅密集地の中にある古い木造家屋の解体がありました。隣の家との距離がわずか50センチしかなく、通常の養生シートでは隙間から粉塵が漏れてしまう恐れがありました。そこで私たちは、特殊な密閉型の養生システムを採用し、さらに散水設備を二重に設置することで、粉塵の飛散をほぼゼロに抑えることができました。

このように、現場ごとに最適な養生方法を考え、実行することが、プロとしての腕の見せ所なのです。

騒音対策としての養生 – 音を制する技術

解体工事の騒音問題

解体工事における騒音は、近隣の方々にとって最も深刻な問題の一つです。特に住宅密集地や都市部では、工事の騒音が原因でトラブルに発展するケースも少なくありません。

解体現場での騒音の発生源は多岐にわたります。重機のエンジン音、コンクリートを破砕する打撃音、鉄骨を切断する音、資材を搬出する際の衝突音など、工事中は様々な音が発生します。

しかも、これらの音は単に「うるさい」というだけでなく、低周波の振動を伴うこともあり、建物の窓ガラスが振動したり、不快感を引き起こしたりすることもあります。

防音養生の仕組み

騒音対策の基本は、音の伝わり方を理解することから始まります。音は空気の振動として伝わるため、この振動を遮断、反射、または吸収することで騒音を低減できます。

私たちが使用する防音シートや防音パネルは、この原理を応用したものです。重量のある高密度な素材は、音のエネルギーを反射させる効果が高く、外部への音の漏れを大幅に減らすことができます。

現場の周囲に設置する仮囲いには、この防音シートを隙間なく張り巡らせます。特に隣接する建物がある側は、二重、三重に防音対策を施すこともあります。

発生源での騒音対策

音が外に漏れるのを防ぐだけでなく、発生源そのものの音を小さくする工夫も重要です。

例えば、重機のエンジン部分に防音カバーを設置したり、不要な時はエンジンを停止するアイドリングストップを徹底したりします。また、振動を伴う破砕作業では、重機の足元に防振ゴムマットを敷くことで、地盤を通じて伝わる振動音を抑制します。

ある現場では、朝8時から作業を開始する予定でしたが、隣接する家庭に小さなお子さんがいることが事前の挨拶で分かりました。そこで、特に音が大きくなる破砕作業は、お子さんが学校に行った後の時間帯に集中させるなど、スケジュールを工夫しました。こうした柔軟な対応も、広い意味での騒音対策の一環です。

法規制と自主基準

私たちは、騒音規制法や各自治体の条例で定められた基準を当然守ります。しかし、それだけでは不十分だと考えています。

法的な基準値をクリアしていても、実際に近隣の方々が不快に感じる音量であれば意味がありません。ですから私たちは、基準値をさらに下回る自主基準を設けて、より静かな工事を目指しています。

また、どうしても大きな音が出る作業については、事前に近隣の方々に具体的な日時をお知らせし、ご理解をいただくようにしています。この「情報伝達」も、重要な騒音対策の一つだと考えています。

粉塵・飛散対策としての養生 – 見えない敵と戦う

粉塵がもたらす深刻な影響

解体工事で発生する粉塵は、騒音以上に深刻な問題となることがあります。なぜなら、粉塵は目に見えにくく、気づいた時には広範囲に拡散していることが多いからです。

コンクリートや木材、土砂などが細かく砕かれることで大量の粉塵が発生します。この粉塵が風に乗って周囲に飛散すると、近隣の家屋の窓やベランダ、駐車してある車などを汚してしまいます。

さらに深刻なのは、粉塵が健康に悪影響を及ぼす可能性があることです。特に細かい粒子(PM2.5など)は、呼吸器系に影響を与える恐れがあります。小さなお子さんやお年寄りがいるご家庭では、特に心配される問題です。

防塵養生の基本 – 飛散経路を断つ

粉塵対策の基本は、発生した粉塵が外部に漏れる経路を徹底的に遮断することです。

まず、建物の周囲全体を防塵ネットやシートで隙間なく覆います。この防塵ネットは、メッシュの細かさが重要です。細かすぎると風通しが悪くなってネット自体が風で破れやすくなり、粗すぎると粉塵が通り抜けてしまいます。現場の風向きや建物の高さに応じて、最適なメッシュサイズを選択します。

高層の建物を解体する場合は、作業の進捗に合わせて防塵ネットの位置を調整していきます。例えば3階建ての建物なら、まず最上階を覆い、解体が進んだら2階、1階と段階的にネットを張り直します。

敷地の境界線に設置する仮囲いも重要です。この仮囲いは、防音機能に加えて、地面近くを流れる粉塵を防ぐ役割を果たします。特に現場の出入口は、作業車両が頻繁に通るため、泥や粉塵を持ち出しやすいポイントです。

水養生 – 最も効果的な粉塵対策

粉塵対策で最も効果的なのが「水養生」、つまり散水です。これは発生源で粉塵を抑え込む方法で、飛散してから対処するよりも遥かに効率的です。

解体作業を行う箇所に継続的に水を撒くことで、発生する粉塵を湿らせて重くし、空気中に舞い上がるのを防ぎます。特にコンクリート構造物の解体では、大量の粉塵が発生するため、霧状の水を使って効率的に湿潤化します。

私たちが使用する解体用重機には、アタッチメント(先端の作業部分)に散水ノズルを装着しています。これにより、コンクリートを破砕すると同時に水を噴射し、発生直後の粉塵を即座に抑え込むことができます。

さらに効果的なのが、微細ミストを使った方法です。水を非常に細かい霧状にして散布することで、PM2.5のような微細な粒子も効率的に捕集できます。ある現場では、このミストガンを使用したところ、周辺での粉塵測定値が劇的に下がり、近隣の方々から感謝の言葉をいただいたこともあります。

搬出時の徹底管理

粉塵対策で見落とされがちなのが、廃材や土砂を搬出する際の対策です。トラックに積み込んだ廃材から粉塵が飛散したり、タイヤに付着した泥が公道を汚したりすることがあります。

私たちは、現場の出口に必ず洗車設備を設置します。作業車両が現場を出る際には、タイヤを徹底的に洗浄し、泥や土砂を持ち出さないようにしています。また、トラックに積んだ廃材には必ずシートをかけ、走行中の飛散を防ぎます。

これは法律で義務付けられていることでもありますが、私たちは法律を守るためというよりも、地域社会の一員として当然の責任だと考えています。

当社がこだわる丁寧な養生の実践例

個別養生へのこだわり

養生は、現場全体を覆うだけでは不十分です。周囲の状況に応じて、個別の対象物にも細心の注意を払う必要があります。

隣接する建物がある場合、解体対象の建物との隙間を完全に覆う「隔離養生」を行います。これにより、振動や破片、粉塵が直接隣の建物に影響するのを防ぎます。

また、近隣の敷地内にある植栽や庭木、駐車場の車などは、作業開始前に一つ一つ丁寧にシートやカバーで保護します。

以前、お隣の庭に大切にされている樹齢50年以上の松の木があった現場がありました。この松の木を傷つけないよう、専用の保護枠を設置し、さらに防塵シートで二重に覆いました。工事終了後、お隣の方から「松の木を大切にしてくれてありがとう」と言っていただき、その言葉が私たちの励みになりました。

公道利用時の責任

解体工事では、資材の搬入出や廃材の運搬で公道を使用します。この時、公道の安全と清潔を保つことは、地域社会への最低限の責任です。

出入口での徹底した洗車はもちろん、万が一泥が公道に落ちた場合は、すぐに清掃します。また、工事車両が頻繁に出入りする場合は、交通誘導員を配置し、歩行者や自転車の方々の安全を確保します。

現場の外周には、工事期間、作業内容、連絡先などを明記した看板を設置します。これも広い意味での養生の一つです。何か問題があった時にすぐに連絡していただけるよう、担当者の携帯電話番号も記載しています。

経験に基づく柔軟な対応

解体現場は一つとして同じものはありません。建物の構造、立地条件、周辺環境、季節など、様々な要素が異なります。だからこそ、マニュアル通りの養生では対応できないこともあります。

私たちの強みは、長年の経験に基づいた柔軟な対応力です。例えば、風が強い日には、重い防音シートではなく風に強いメッシュタイプの防塵ネットを二重にするなど、環境の変化に合わせて臨機応変に対応します。

狭小地での解体では、通常の重機が入らないため、小型の機械や手作業を組み合わせる必要があります。こうした現場では、養生の方法も工夫が必要です。例えば、通常は地面に設置する仮囲いを、隣の建物の壁面を利用して設置するなど、現場の状況に応じた独自の方法を考案します。

実績が証明する信頼性

私たちの丁寧な養生と誠実な施工姿勢は、「2025年度優良工事等表彰」の受賞という形で評価されました。これは、行政や業界団体から認められた証です。

この表彰は、単に工事の技術力だけでなく、近隣への配慮、安全管理、環境保全など、総合的な施工品質が評価されたものです。私たちにとって、この受賞は大きな誇りであり、今後も丁寧な仕事を続けていく励みになっています。

養生がもたらす長期的なメリット

スムーズな工期進行

養生を徹底することの最大のメリットは、工事がスムーズに進行することです。

もし養生が不十分で近隣から苦情が出れば、作業を中断して対応しなければなりません。場合によっては、追加の養生設備を設置するため、数日間作業がストップすることもあります。

しかし、事前に入念な養生を行い、近隣の方々に工事内容を丁寧に説明しておけば、理解と協力を得やすくなります。結果として、予定通りに工事を進めることができ、工期を守ることができます。

工期を守ることは、お客様との信頼関係を維持する上で極めて重要です。解体工事の後に新築工事が控えている場合、工期の遅延は全体のスケジュールに影響します。だからこそ、養生による近隣トラブルの予防は、実は工期管理の要なのです。

トータルコストの削減

「養生にお金をかけるのはもったいない」と考える方もいるかもしれません。しかし、これは大きな誤解です。

もし養生が不十分で、隣の建物や車を傷つけたり汚したりした場合、その補修費用や賠償費用は、初期の養生費用を遥かに上回ります。場合によっては、訴訟に発展することもあります。

また、近隣トラブルが原因で工事が中断すれば、その間も重機のリース料や人件費は発生し続けます。トータルで見れば、しっかりとした養生に投資することが、最も経済的なのです。

私たちは、お客様に見積もりを提示する際、養生費用の内訳も明確にお伝えしています。なぜその費用が必要なのか、どのような対策を行うのかを丁寧に説明することで、お客様にも納得していただいています。

地域社会との良好な関係

解体工事は、新しい創造の始まりです。古い建物を取り壊すことで、その土地に新しい可能性が生まれます。

このプロセスにおいて、周辺環境への影響を最小限に抑えることは、企業としての社会的責任です。丁寧な養生を通じて、私たちも地域社会の一員として認められ、信頼関係を築くことができます。

実際、過去に工事を担当した地域で、別のお客様から「あの時の工事が丁寧だったから、今回もお願いしたい」と言われることがあります。こうした口コミや紹介は、私たちにとって何よりも嬉しい評価です。

また、解体工事を通じて地域に貢献できることもあります。例えば、空き家の解体によって防犯面や景観面での改善につながることもあります。養生をしっかり行い、近隣に配慮した工事を進めることで、地域全体にとってもプラスになるのです。

まとめ – 養生は想いをつなぐ架け橋

ここまで、解体工事における養生の重要性について、騒音・粉塵対策を中心に詳しく解説してきました。

養生は、単なる目隠しや一時的な措置ではありません。それは、作業員の安全、施工の品質、そして何よりも近隣の方々との信頼関係を守るための、専門性の高い重要な工程です。

騒音や粉塵という避けることのできない問題を、最大限抑え込むこと。それによって、これまでその建物に住まわれた方の想いを大切にし、近隣の方々の生活を守り、そして次の世代へ気持ちよく土地を引き継ぐことができるのです。

私たち名古屋ナカテックは、近隣へのご挨拶から養生の準備、そして施工まで、すべての工程において「きっちりとした準備」と「丁寧な施工」を心がけています。

解体工事は、終わりではなく始まりです。その土地に新しい未来が生まれる、大切なプロセスです。だからこそ、私たちは「想いを残し、次世代につなぐ」という理念のもと、一つ一つの現場に真摯に向き合っています。

空き家の解体、建て替えのための解体、どのようなご相談でも、まずは私たちにお話をお聞かせください。騒音や粉塵への不安、近隣への配慮など、どんな小さな心配事でも、丁寧にお答えします。

ご相談は無料で承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。私たちと一緒に、未来ある解体工事を実現しましょう。


株式会社名古屋ナカテックからのお知らせ

当社では、解体工事に関するお役立ち情報を定期的に発信しております。リユース・リサイクルへの取り組みも積極的に行い、環境への配慮も欠かしません。解体工事に関するご質問や無料相談は、随時受け付けております。

お問い合わせをお待ちしております。

無料相談

空き家など、解体工事にまつわる
相談に無料で受け付けます。

無料相談する
解体工事、建築・土木工事業 │ 名古屋ナカテック

©Nagoya nakatec Co., Ltd.