解体工事、建築・土木工事業 │ 名古屋ナカテック

解体工事お役立ちコラム

まちをつなぐ解体工事のお話し

試掘調査で見つかる「業界あるある」:意外な埋設物の実例と対応方法

はじめに:地中に眠る「見えないリスク」

解体工事を始める前、多くのお客様が心配されることがあります。それは「地中に何が埋まっているか分からない」という不安です。

私たち株式会社名古屋ナカテックは、長年の解体工事の経験から、この「見えないリスク」にしっかりと向き合ってきました。図面には載っていない、過去の建物の痕跡や設備が地中に残されているケースは決して珍しくありません。

今回のコラムでは、実際の現場で発見される「業界あるある」の埋設物について、私たちの経験をもとに詳しくお伝えします。これから解体工事をお考えの方、土地活用を検討されている方にとって、きっと参考になる情報です。

解体工事は単なる建物の取り壊しではありません。その土地の過去を丁寧に整理し、新しい未来へとつなぐ大切な作業です。だからこそ、事前の試掘調査が重要になるのです。

第1章:なぜ埋設物の「あるある」が生まれるのか

図面と現実のギャップ

解体工事の現場で私たちが直面する最大の課題は、建築図面と実際の地中状況が一致しないことです。これは決して図面が間違っているわけではありません。

建物は長い年月の間に、何度も増改築が行われます。外構工事も同様です。その都度、古い構造物が撤去されることもあれば、そのまま埋められてしまうこともあります。特に昭和時代の建物では、撤去費用を抑えるために「埋め戻し」が一般的に行われていました。

ある現場では、建物の図面にはまったく記載されていない大型の浄化槽が見つかりました。お客様も存在を知らず、前の所有者から引き継いだ際にも説明がなかったそうです。このような「隠れた埋設物」は、工事が始まってから発見されると、予算や工期に大きな影響を与えます。

土地利用の変遷が残す痕跡

土地の用途が変わるたびに、新しい設備が追加され、古い設備は放置されることがあります。例えば、もともと工場だった場所が住宅地になったケースでは、工場時代の設備基礎や配管が地中に残っていることがよくあります。

私たちが担当したある住宅地の解体工事では、試掘調査で予想外の発見がありました。敷地の一角から、昔の井戸が見つかったのです。お客様も驚かれていましたが、近隣の古くからお住まいの方にお話を伺ったところ、50年以上前には確かにこの場所に井戸があったとのことでした。

こうした過去の履歴は、建築図面には残されていません。しかし、これらを放置したまま新しい建物を建てることはできません。地盤の安定性や、将来的な土地活用に支障をきたすからです。

外構工事の見落としがちなリスク

多くの方が「埋設物」と聞いて想像するのは、建物の基礎や杭だと思います。しかし実際には、外構部分にこそ予想外の埋設物が潜んでいることが多いのです。

庭に設置されていた池の跡、駐車場の下に残された古い配管、境界沿いの塀の基礎など、建物本体とは関係のない部分にも注意が必要です。名古屋ナカテックは、建物だけでなく外構工事もしっかり対応していますので、敷地全体のリスクを見逃しません。

実際に、ある解体現場の駐車場を試掘したところ、深さ2メートル以上にわたって古いコンクリート塊が埋められていました。これは過去に撤去された門扉の基礎部分だったのですが、撤去時に地上部分だけを取り除き、地中部分はそのまま残されていたのです。もしこれを見逃していたら、次の建築工事で大きな障害になっていたでしょう。

第2章:実際に発見される埋設物の種類

過去の設備が残す大型埋設物

試掘調査で最も頻繁に発見されるのが、古い浄化槽や貯水槽です。下水道が整備される前の時代、各家庭には必ず浄化槽がありました。

これらの槽は、コンクリート製やFRP(繊維強化プラスチック)製で非常に頑丈に作られています。使用されなくなった後も、中身だけを抜き取って本体はそのまま埋め戻されているケースが大半です。サイズも想像以上に大きく、長さ3メートル以上、深さ2メートル以上という規模のものも珍しくありません。

ある現場では、2つの浄化槽が並んで埋まっていました。お客様のお話では、増築した際に新しい浄化槽を設置したものの、古い方は撤去せずにそのまま埋めたとのことでした。このような場合、2倍の撤去費用と時間がかかることになります。

他にも、過去に使用されていたボイラー室や機械室の基礎が残されているケースもあります。これらは建物本体の基礎とは別に設けられているため、図面に詳細が記載されていないことがほとんどです。地中深くに強固なコンクリート塊として残っており、発見されると追加の破砕作業が必要になります。

境界周りの隠れた構造物

敷地の境界部分は、埋設物の宝庫とも言える場所です。特にブロック塀や門扉の基礎は、地上から見える部分よりもはるかに大きな構造が地中に埋まっています。

塀の基礎は、転倒を防ぐために逆T字型の「フーチング」という構造になっていることが多く、幅1メートル以上、深さ1メートル以上のコンクリート塊が連続して埋まっています。古い時代の施工では、より頑丈に作ることが良しとされていたため、現代の基準よりも過剰なほど大きな基礎が設けられていることもあります。

実際の事例では、見た目は高さ1.5メートルほどの普通のブロック塀だったのですが、試掘調査をしたところ地下部分の基礎が想定の3倍近い規模で埋まっていました。これを完全に撤去するには、当初の見積もりよりも時間と費用がかかりましたが、事前に分かっていたため、お客様にもきちんと説明し、ご納得いただいた上で工事を進めることができました。

廃止されたインフラ配管の問題

建物への引き込み配管も、意外な「あるある」埋設物です。水道管、ガス管、電気配線、電話線など、時代とともに何度も引き直されることがあります。

古い配管は使用停止後も撤去されず、そのまま地中に残されていることが多いのです。特に問題になるのが、古い灯油タンクや地下埋設型のオイルタンクです。これらは長年放置されると腐食し、土壌汚染の原因になる可能性があります。

ある住宅の解体現場では、試掘調査で古い鉄製の配管が複数発見されました。お客様にお聞きしても、いつ設置されたものかは分からないとのことでした。このような古い配管は、腐食が進んでいることも多く、慎重に撤去する必要があります。

名古屋ナカテックでは、こうした小さなリスクも見逃さず、安全を最優先に作業を進めます。特に通学路に面した現場などでは、より一層の注意を払って作業を行っています。

地盤改良の痕跡

地盤が軟弱な地域では、建物を建てる際に地盤改良が行われます。その際に打ち込まれた杭が、想定と異なる位置や深さに残っていることがあります。

特に昔は木杭が使われることも多く、これらは時間が経つと腐食して位置の特定が難しくなります。コンクリート杭の場合も、図面上の記載と実際の本数や位置が一致しないケースがあります。

過去に浸水被害があった地域では、それを防ぐための排水設備や擁壁が設けられていることもあります。これらも図面に残されていないことが多く、試掘調査で初めて発見されることになります。

第3章:名古屋ナカテックの対応力

公的評価に裏付けられた信頼性

私たち名古屋ナカテックは、2025年度優良工事等表彰を受賞しました。これは、施工品質、安全管理、そして予期せぬ事態への適切な対応が評価された証です。

試掘調査で埋設物が見つかった場合、その撤去にかかる費用や工期を正確に見積もり、お客様に透明性を持ってご報告します。追加費用が発生する場合も、なぜ必要なのかを丁寧に説明し、ご納得いただいた上で作業を進めます。

ある企業のお客様からは、「予想外の埋設物が見つかったが、迅速に対応してもらえて助かった」というお声をいただきました。また別のお客様からは、「追加費用の説明が明確で、安心して任せられた」とのご評価をいただいています。

このような信頼関係を築けるのは、私たちが誠実な仕事を積み重ねてきた結果だと自負しています。

専門知識を活かした最適な処理

埋設物の処理には、単なる掘削技術だけでなく、材質や種類に応じた専門的な知識が必要です。

例えば、古いオイルタンクが見つかった場合、土壌汚染の可能性を考慮しなければなりません。このような場合、私たちは法令を遵守し、必要に応じて土壌調査も行います。専門的な判断が求められる場面でも、長年の経験に基づいて適切に対応できるのが、名古屋ナカテックの強みです。

また、撤去した埋設物についても、可能な限りリサイクルに回します。コンクリート塊は破砕して再生骨材として利用できますし、金属類もリサイクル業者に引き渡します。私たちは「解体で出た不用品を無料で再利用へ」という取り組みを行っており、環境への配慮も忘れません。

豊富な経験に基づくリスク管理

試掘調査を行う際、私たちは単に地面を掘るだけではありません。過去の建物の配置や外構の状況を推測し、リスクの高い箇所を優先的に調査します。

建物の真下はもちろんですが、外構部分も念入りにチェックします。特に境界沿いや駐車場の下、庭があった場所などは、予想外の埋設物が見つかりやすいエリアです。敷地全体を網羅的に確認することで、工事開始後の「想定外」を最小限に抑えることができます。

安全管理も徹底しています。試掘作業は掘削を伴うため、作業員だけでなく近隣の方々への配慮も欠かせません。養生をしっかり行い、騒音や振動にも注意を払います。通学路に面した現場では、子どもたちの通学時間を避けて作業するなど、きめ細かな配慮を行っています。

第4章:試掘調査がもたらす安心

正確な見積もりのために

試掘調査の最大のメリットは、正確な見積もりができることです。埋設物の有無や規模が事前に分かれば、必要な費用と工期を正確に算出できます。

工事開始後に埋設物が見つかった場合、追加費用が発生するだけでなく、工事の中断や計画の変更が必要になることもあります。これはお客様にとって大きな負担です。事前の試掘調査は、このようなリスクを回避するための重要な投資なのです。

実際に、試掘調査を行った現場とそうでない現場を比較すると、トラブルの発生率が大きく異なります。試掘調査を行った現場では、予定通りに工事が進むケースがほとんどです。

次世代への責任

私たちが掲げるポリシーは、「想いを次世代に受け継ぐ解体工事」です。地中に残された過去の構造物を放置することは、次の建設プロジェクトや土地利用者に負担を強いることになります。

試掘調査によって埋設物を完全に把握し撤去することは、土地の価値を高めることにつながります。次の世代がスムーズに新しい建物を建てられるよう、土地をクリーンな状態に整えることが私たちの使命です。

ある解体現場では、試掘調査で発見した大型の浄化槽を完全に撤去しました。後日、その土地を購入された建築会社の方から「きれいに整地されていて、すぐに新築工事に取りかかれた」とお礼の言葉をいただきました。このように、私たちの仕事が次の世代に良い影響を与えられることは、大きな喜びです。

お客様とのコミュニケーション

試掘調査の結果は、必ずお客様に詳しくご報告します。どのような埋設物が見つかったのか、それを撤去するにはどのような作業が必要なのか、費用はどれくらいかかるのか、すべてを透明性を持って説明します。

専門用語を使わず、分かりやすい言葉で説明することを心がけています。必要に応じて写真や図を使って視覚的にも理解していただけるよう工夫しています。

お客様の中には、追加費用の発生に不安を感じられる方もいらっしゃいます。そのような場合も、なぜその費用が必要なのか、その作業を行わないとどのような問題が起こりうるのかを丁寧に説明します。納得していただいた上で作業を進めることが、信頼関係を築く上で最も大切だと考えています。

第5章:具体的な試掘調査の流れ

事前調査とヒアリング

試掘調査を行う前に、まず建築図面や過去の資料を確認します。建物の建築年代、増改築の履歴、過去の土地利用状況などを把握することで、どのような埋設物が存在する可能性があるのかを予測します。

お客様へのヒアリングも重要です。実際に建物を使用されていた方やご近所の方から、過去の設備や外構の変更について情報を得られることがあります。「昔、この辺りに井戸があった」「以前は塀がもっと高かった」といった何気ない情報が、埋設物の発見につながることもあります。

地域の特性も考慮します。例えば、かつて工場地帯だった地域では工業用の設備が残っている可能性が高く、古い住宅地では浄化槽や井戸が見つかりやすいといった傾向があります。

試掘ポイントの選定

試掘調査では、敷地全体を掘り返すわけにはいきません。効率的に埋設物を発見するために、リスクの高いポイントを絞り込んで調査します。

建物の基礎周辺はもちろん、外構部分も重点的にチェックします。特に境界沿い、玄関周辺、駐車場、庭があった場所などは優先的に調査します。過去の航空写真や古い地図が入手できる場合は、それらも参考にします。

試掘の深さは、通常1メートルから2メートル程度ですが、状況に応じて深く掘ることもあります。地盤改良の杭などは、さらに深い位置にあることもあるためです。

実際の掘削作業

試掘調査では、小型の重機を使用して慎重に掘削を進めます。埋設物を傷つけないよう、慎重に作業を行います。

掘削中に何かが見つかれば、その都度確認を行います。それが何であるか、どの程度の規模なのか、完全に撤去する必要があるのかを判断します。必要に応じて追加の試掘を行い、埋設物の全体像を把握します。

作業中は安全管理を徹底します。掘削した穴は転落防止のため必ず養生し、作業員以外が近づかないよう管理します。近隣の方々への騒音や振動にも配慮し、作業時間帯にも注意を払います。

報告と提案

試掘調査が完了したら、結果をまとめてお客様にご報告します。発見された埋設物の種類、位置、規模を写真や図面で分かりやすく説明します。

撤去が必要な場合は、その方法と費用の見積もりを提示します。複数の選択肢がある場合は、それぞれのメリット・デメリットを説明し、お客様に最適な方法を選んでいただきます。

追加費用が発生する場合も、その内訳を明確にします。材料費、人件費、処分費など、何にどれだけの費用がかかるのかを透明性を持って説明します。

まとめ:安心の解体工事は試掘調査から

試掘調査で見つかる埋設物は、一つとして同じものはありません。その土地の歴史や利用状況によって、さまざまな「あるある」が存在します。

しかし、これらの見えないリスクに対して、確かな経験と専門性で対応できるのが私たち株式会社名古屋ナカテックです。優良工事等表彰を受賞した実績、建物だけでなく外構も含めた総合的な対応力、そして何よりもお客様との信頼関係を大切にする姿勢が、私たちの強みです。

試掘調査は、単なる工程の一つではありません。お客様に安心を提供し、次の世代に良い土地を引き継ぐための重要な投資です。見えない地中のリスクをしっかりと把握することで、正確な見積もりと計画的な工事が可能になります。

解体工事は、新しい未来を創造する始まりです。地中の埋設物に関する不安や、解体工事全般についてのご質問がございましたら、どうぞお気軽に名古屋ナカテックにご相談ください。私たちは、人と人とのつながりを大切にし、近隣への丁寧なご挨拶から工事完了まで、きっちりと準備して誠実に対応いたします。

皆様の大切な土地が、次の世代へ気持ちよく受け継がれるよう、私たちがしっかりとサポートいたします。

無料相談

空き家など、解体工事にまつわる
相談に無料で受け付けます。

無料相談する
解体工事、建築・土木工事業 │ 名古屋ナカテック

©Nagoya nakatec Co., Ltd.