解体工事、建築・土木工事業 │ 名古屋ナカテック

解体工事お役立ちコラム

まちをつなぐ解体工事のお話し

解体工事のリサイクル法とは?知っておくべきルールと注意点

80㎡以上の解体は対象になる。届出・分別解体・再資源化のルールを徹底整理

【この記事のポイント】

延床80㎡以上の解体は、建設リサイクル法の対象になる。

届出は発注者の義務。着工7日前までに済ませる必要がある。

分別解体と再資源化は受注者の義務。「全部まとめて捨てる」は違反。

今日のおさらい:要点3つ

  • 建設リサイクル法は、特定建設資材(コンクリート・木材・アスファルト等)を使った建物・工作物の「解体・新築・リフォーム」で、一定規模以上の工事を対象にした法律。
  • 解体工事なら「延べ床面積80㎡以上」が届出&分別解体のライン。500㎡以上の新築、請負1億円以上のリフォーム、請負500万円以上の工作物工事も対象になる。
  • 発注者は工事着手7日前までに届出を行い、受注者は現場で分別解体・再資源化を実施する義務がある。

この記事の結論

一言で言うと「80㎡以上の解体は、建設リサイクル法の届出と分別解体が必須」

最も重要なのは「対象かどうかを延床面積と金額で確認し、着工の7日前までに発注者が届出を済ませること」

失敗しないためには「”業者任せ”にせず、自分の工事が対象かどうか・誰が届出するか・どこまで分別するかを、見積もり段階で話し合っておく」ことです。

建設リサイクル法の”中身”をざっくり整理

なぜ建設リサイクル法が必要になったのか

建設リサイクル法の正式名称は「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」です。

国土交通省や環境省は、建設工事から出る廃棄物(特に解体時のコンクリートガラや木くず)が大量に発生し、埋立地不足や不法投棄が問題になっていたことを背景に、この法律を整備しました。

目的1:建設廃棄物を減らし、資源として再利用する(リサイクル率の向上)

目的2:現場での分別解体を義務化し、混合廃棄物の発生を抑える

目的3:発注者・受注者の責任を明確にして、違反や不法投棄を防ぐ

実は、解体工事の現場では、ひと昔前まで「全部まとめて一気に壊して、混ざったまま捨てる」やり方も当たり前のように行われていました。 しかしそれでは、コンクリートや木材を資源として再利用することが難しく、埋立地もすぐにいっぱいになってしまう。 この危機感が、建設リサイクル法というルールの土台になっています。

対象になる工事の”線引き”はここ

法律の話になると、どうしても眠たくなりがちです。 なので、「自分に関係あるライン」だけを先に押さえましょう。

国交省・経産省などの資料では、対象工事の規模基準を次のように定めています。

工事の種類規模の基準具体例
建築物の解体延べ床面積80㎡以上25坪以上の戸建て解体など
建築物の新築・増築延べ床面積500㎡以上小規模オフィス・アパート等
建築物の修繕・模様替(リフォーム)請負金額1億円以上大規模リノベーションなど
その他の工作物工事(土木工事等)請負金額500万円以上コンクリート構造物の撤去など

※対象になるのは、コンクリート・アスファルト・木材といった「特定建設資材」を使用している工事です。

愛知県や横浜市の案内でも、「解体する部分の延床面積が80㎡以上なら、解体部分に特定建設資材が使われていなくても届出は必要」と説明しています。

つまり、「うちは木造だから関係ない」「小さいから大丈夫」と判断するのは、かなり危ない考え方です。

実体験① 深夜に”80㎡ってどれくらい?”を永遠に計算していた夜

私は最初に建設リサイクル法を勉強したとき、「80㎡以上」という基準を頭で理解していても、なぜか心が落ち着きませんでした。 夜、机の上に建物の図面を広げて、延床面積の欄を何度も見直し、スマホの電卓で「坪数×3.3」を繰り返し叩いていました。

25坪…82.5㎡ 「ギリギリ超えてる。」

そのあたりで、一度深く息を吐いて椅子にもたれ、「これはもう、対象工事側だと認めるしかないな」と心の中でつぶやきました。 正直なところ、「対象外」だと信じていた自分の期待が少しだけ崩れる瞬間でもありました。

でも、こうやって一度ちゃんと数字で向き合っておくと、その後の判断がブレなくなります。 「なんとなく大丈夫そう」から「80㎡を超えるから、届出と分別解体が必要」に切り替わった瞬間、むしろ頭の中はスッキリしました。

建設リサイクル法で”何をしないといけないか”

発注者の義務:工事着手7日前までの届出

国土交通省のパンフレットでは、建設リサイクル法の流れを「発注者の届出→受注者の分別解体→再資源化→完了報告」と整理しています。

発注者(施主・事業者側)がやるべきことは、大きく3つです。

自分の工事が対象かどうかの確認

延床面積や請負金額から対象かどうかを判断します。

工事着手7日前までに届出

都道府県知事(または政令市・中核市の市長)に「分別解体等の計画」を届け出る義務があります。

届出窓口は各都道府県に設置されており、様式も国交省サイトからダウンロードできます。

工事完了後の報告の受け取り

受注者から再資源化の完了報告をもらい、内容を確認します。

実は、ここを「業者さんが全部やってくれるはず」と思い込み、届出が遅れたり漏れたりするケースが少なくありません。 法律上の義務は発注者側にあるため、「誰が届出書を書くか」「誰の名前で出すか」は、契約時にきちんと確認しておく必要があります。

受注者の義務:現場での分別解体と再資源化

一方、受注者(解体業者・建設会社)の義務として、建設リサイクル法は「分別解体等」と「再資源化」の実施を定めています。

分別解体等とは

コンクリート、木材、アスファルト・コンクリートなどの特定建設資材を、現場で種類ごとに分けながら解体すること。

施行規則第二条で、適切な施工方法(調査・作業場所・搬出経路など)に関する基準が定められています。

再資源化の義務

分別解体で生じた特定建設資材廃棄物は、原則として再資源化(砕石・チップ・再生材など)しなければならないとされています。

ただし、木材に関しては再資源化施設までの距離が50kmを越える場合など、一部例外的に「縮減(焼却・破砕等)」で足りるケースも認められています。

神奈川県などの解説でも、「対象建設工事の受注者は、特定建設資材廃棄物を現場で分別し、再資源化する義務がある」と明記されています。

つまり、解体現場で”全部ごちゃ混ぜでトラックに積む”やり方は、対象工事ではアウトです。

現場でよくある会話

現場寄りの話をすると、建設リサイクル法でいちばんモメやすいのは「届出を誰がやるか」です。

施主さん:「正直、書類のことはよく分からないので、全部お任せしたいんですが。」 解体業者:「実は、届出の義務は発注者様側にあるんです。ただ、手続き自体はこちらで代行できます。」

施主さん:「代行してもらえるのは助かります。でも、その場合でも私の名前で出すんですよね?」 解体業者:「はい。その点も含めて、書面で役割を整理しておきましょう。」

最初は半信半疑だった施主さんも、「義務は自分にあるけれど、実務はプロに任せる」という線引きが見えると、表情が少し柔らかくなります。 私も同席していたとき、会話の終わりに施主さんが「なんとなくモヤモヤしていた部分が、やっと形になってきました」と言ったのが印象に残っています。

建設リサイクル法で”やりがち”な失敗と、実際にあったケース

よくある失敗① 対象だと気づかず届出を忘れる

よくあるのが、「80㎡未満だと思っていた」パターンです。

増築部分を含めた延床面積を見ておらず、古い登記簿の数値だけを見てしまった

一部解体だと勘違いしていたが、構造耐力上主要な部分の解体にあたり、実は届出が必要だった

国交省のQ&Aでは、「建築物の一部解体でも、構造耐力上主要な部分を80㎡以上解体する場合は対象」「柱・壁のみの解体で床面積が測れないときは0㎡として扱う」などのルールが示されています。

届出をせずに工事を始めた場合、

行政からの指導・勧告

工事の一時停止や、是正措置の要求 などのリスクがあります。

「知らなかった」で済ませられないラインなので、延床面積が70〜90㎡付近のケースは特に慎重に確認した方がいいです。

実体験② 「うちは対象外」と思い込んでいた施主さんの話

あるとき、私が相談を受けた施主さんがこうおっしゃっていました。

施主さん:「実は、前に別の工事でリサイクル法の届出をしたことがあったので、今回の家は小さいし対象外だと思っていたんです。」 私:「延床面積はどれくらいですか?」 施主さん:「ざっくり25坪くらいだったはず…あれ、図面を見たら28坪になってますね。」

その瞬間、施主さんの表情が少し固まりました。 そこから、国交省の資料を一緒に見ながら「80㎡以上=25坪ちょっと」という数字を確認し、 「今回は対象のラインに入る」と理解してもらいました。

施主さん:「また騙されるんじゃないかと思って疑ってましたけど、これは完全に自分の勘違いでしたね。」

あのとき、「実は、リサイクル法のことを聞くのが怖くて、見て見ぬふりをしてました」と最後にポロッと漏らした一言が忘れられません。 数字で現実を確認するのは少し怖いですが、一度向き合うと逆に楽になる。そんな瞬間でした。

よくある失敗② 分別解体を軽く見て、結局コスト増になる

もう一つ多いのが、「分別解体なんて面倒だから、全部まとめて出してしまおう」という発想です。 しかし、建設リサイクル法の対象工事でこれをやると、

行政指導のリスク

処分場で混合廃棄物扱いになり、処分費が割高になる

再資源化率が下がり、環境面でもマイナス

といった”ツケ”が後からやってきます。

逆に、現場でコンクリート・木材・金属・アスファルトをきちんと分けておくと、

再生砕石やチップとして活用できる

処分単価が下がる(品目ごとの方が安いことが多い) などのメリットもあります。

「手間=ムダ」ではなく、「手間=後からのコストとリスクを減らす投資」と考える方が、実務にはフィットします。

よくある質問

Q1:建設リサイクル法の対象になる解体工事の条件は?

A1:延床面積80㎡以上の建築物の解体工事が対象です。

特定建設資材(コンクリート・アスファルト・木材など)を使った建築物が前提ですが、基礎にコンクリートが使われていれば、ほとんどの住宅が該当します。

一部解体でも、構造耐力上主要な部分を80㎡以上解体する場合は対象になります。

Q2:届出は誰がする必要がありますか?

A2:法律上、届出義務者は発注者または自主施工者(自社施工の場合)です。

ただし、実務上は解体業者や建設会社が書類作成を代行するケースも多くあります。 「誰の名前で出すか」「誰が作るか」は、契約時に明確にしておきましょう。

Q3:届出はいつまでに出せばいいですか?

A3:工事着手の7日前までに、都道府県知事等に届出をしなければなりません。

7日前ギリギリでは、内容の修正や確認に時間が足りないこともあるため、2週間前を一つの目安にすると安心です。

Q4:建設リサイクル法に違反するとどうなりますか?

A4:届出を怠ったり、分別解体・再資源化の義務を守らない場合、指導・勧告・命令などの行政措置の対象になります。

命令に従わないと、罰則(罰金など)が科されることもあります。

発注者側も義務違反となるため、「業者に任せていたから知らない」は理由になりません。

Q5:こういう人は今すぐ相談すべき?

A5:延床面積が80㎡前後の建物を解体する予定がある

見積もりに「建設リサイクル法」の文言が一切書かれていない

「届出は大丈夫です」とだけ言われて、誰が何をするのか説明がない

このどれかに当てはまるなら、正直「今すぐ相談すべき」側です。 届出と分別解体の計画を、今のタイミングで一度整理してもらうと安心です。

Q6:この状態ならまだ間に合う、というラインは?

A6:解体着手まで1ヶ月以上ある

延床面積と工事内容(解体・新築・リフォーム)が把握できている

解体業者との打ち合わせがこれから始まる段階

ここまで揃っていれば、「この状態ならまだ間に合う」と言えます。 着工までの間に、届出・分別解体・再資源化の段取りを十分に組むことができます。

Q7:迷っているなら何から確認すればいい?

A7:まずは、

建物の延床面積

工事の種類(解体・新築・修繕・工作物)

請負金額の見込み

この3つを整理して、「建設リサイクル法の対象工事かどうか」を確認するのがスタートです。

そのうえで、届出と分別解体の役割分担を、解体会社と相談するのがおすすめです。

まとめ

建設リサイクル法は、建設廃棄物のリサイクルを進めるために、一定規模以上の解体・新築・リフォーム・土木工事に「届出・分別解体・再資源化」を義務づけた法律です。

解体工事なら延床80㎡以上が対象ラインであり、発注者が工事着手7日前までに届出を行い、受注者が現場で分別解体・再資源化を行う必要があります。

迷っているなら、「延床面積」「工事の種類」「契約金額」を一度メモに書き出し、そのメモを持って解体業者や専門家に相談するのがおすすめです。


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